第4回 地形・地質観察会「フォッサマグナ西縁の地形・地質」

   
第4回 地形・地質観察会「フォッサマグナ西縁の地形・地質」を開催しました。


 ・日 時:平成23年7月23日(土) 8:30〜18:00

 ・参加者:36名

 ・観察コース(バスで移動)

JR竜王駅(集合)・・・赤坂台総合公園展望台・・・銀河鉄道展望公園・・・韮崎文化ホール・・・雲岸寺・・・市之瀬台地・・・クラフトパーク(昼食)・・・早川町新倉・・・芝川町内房橋・・・芝川町長貫(白鳥山)・・・JR竜王駅・赤坂台総合公園(解散)


赤坂台総合公園展望台から甲府盆地とその周辺の山々を観察。

写真中央は日本三大扇状地の御勅使川扇状地。南アルプスの著しい隆起に伴う河川の侵食により運搬された土石が、谷の出口から平野部に向かって扇状に広がって堆積した地形。

御勅使川は古来よりたびたび氾濫した河川で、武田信玄の治水事業と言われる石積出(石造りの堤防)や将棋頭(分流のための堤防)が国指定の史跡となっている。
銀河鉄道展望公園(宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」にちなんで名付けられた公園)では、現地の地形と立体模型地図と照らし合わせて糸魚川−静岡構造線(断層)の通る位置や地質による山の成り立ちや地形の違いなどを観察。
韮崎文化ホール前に設置されている宮澤賢治と韮崎出身の保坂嘉内の交流を記念して建てられた銀河鉄道を模した石碑を見学。

地質学者でもあった宮沢賢治は地質に係る内容の作品(イギリス海岸、台川、気のいい火山弾など)も多く残している。

雲岸寺では、韮崎から釜無川左岸を上流に向かって七里に渡って続く崖(七里岩)の内部を観察。    

 七里岩は20万年ほど前に八ヶ岳が大規模に崩壊し釜無川を埋積して甲府盆地南東縁まで流れ下った岩塊・土砂(韮崎岩屑なだれ)からなる台地で、その規模は日本最大である。

台地と平野部の境および山際を通る複数の活断層(市之瀬断層群)の活動により、扇状地が隆起してつくられた市之瀬台地の観察。

断層の詳細な活動履歴などについては不明。






国の天然記念物に指定されている新倉断層(糸魚川−静岡構造線)の観察。






山梨日日新聞の掲載記事(7月25日)
富士山から流下した溶岩(芝川溶岩)の観察(時間などの都合で車窓からの観察となった)。

富士山の溶岩は粘性の小さい玄武岩質のマグマからなるため、20kmを超えるような遠くまでも流れ易い。

白鳥山の崩壊跡地(真ん中の尾根上部の半月状に落ち込んだ部分)の観察。

 宝永地震(1707年)で白鳥山の東側斜面が崩壊し、崩壊土砂は富士川を堰き止め対岸の長貫部落まで押し出し22名の死者がでた。安政東海地震(1854年)でも富士川が堰き止められたのち決壊し、下流域に多大な被害をもたらした。


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